■ 両性担体 (carrier ampholyte)

等電点電気泳動に適したpH勾配をつくり出す方法はいくつかありますが、キャピラリー等電点電気泳動では両性担体と呼ばれる特殊な両性電解質が使われます。両性担体はタンパク質と同じように酸性で正電荷、アルカリ性で陰電荷を帯びます。ただ、単一の成分からなるのではなく、等電点が少しずつ異なる多数の成分を含んでいます。両性担体の水溶液を、酸溶液である陽極液と塩基溶液である陰極液で挟んで直流電流を流すと、両性担体は電気泳動によって移動し、等電点の順に整列することで自動的にpH勾配が形成されます。